かつて、伝説のランナー「シルク・ド・リリー」と呼ばれ、老人ホーム・ガジュマルでは「エスケープの女王」の異名をもつ大城絹子。為せば成るの言葉を胸に、難攻不落と言われる施設からの脱走に果敢に挑戦し続けていたが、オムツになってからというものすっかり元気がない。そんな彼女に「栄町市場オムツ党」の党員を名乗るカメとハルが声を掛けてきた。二人は党首の大里マカトの死後、その遺志を継いで活動しているという。絹子の入党後、三人はナーハイバイを掟にそれぞれの道を進んでいくのだ
が・・・・。
戦時中、弾の下を這いまわって生きてきた沖縄のオバアは、やはりやさしいだけじゃなかった。